BLOG 興聖寺座禅ブログ
日本と韓国、禅のつながりを求めて ― 望月和尚の韓国滞在記
2025.6.23

9日間の韓国滞在を振り返って――韓国仏教との出会い
このたび、望月和尚は9日間にわたり韓国を訪問し、さまざまな仏教文化や修行の姿に触れる機会をいただきました。日本と韓国、それぞれの仏教文化には違いがありつつも、根底に流れる精神や修行の姿勢に通じるものを感じる旅となりました。
■ 韓国最大級の名刹「通度寺」への訪問
滞在中、韓国でも屈指の大寺院である通度寺(トンドサ)を訪れる機会がありました。通度寺は韓国仏教界の中心ともいえる曹渓宗(チョゲジョン)に属するお寺で、日本の臨済宗とつながりの深い禅の伝統を今に伝えています。
現地では、多くの僧侶の皆さまに温かく迎えていただき、一緒にジャガイモを掘るなど、言葉を超えた交流を持つことができました。修行の場でありながらも、そこには人と人との温かなふれあいがありました。
■ 本格的な修行「安居(あんご)」の現場を訪れて
今回の旅で特に印象に残ったのは、韓国仏教における「安居(あんご)」と呼ばれる本格的な修行の様子を見学できたことです。
韓国では、夏安居と冬安居の2回に分けて、1回あたり3ヶ月にも及ぶ修行期間が設けられています。つまり、1年のうち半年が修行の期間ということになります。
修行中の僧侶たちは寺院の中にこもり、ひたすら坐禅に励みます。今回は特別にその場を見学させていただき、実際に修行されている僧侶方ともご挨拶する機会を得ました。
僧侶の皆さんの眼差しや佇まいから、「本当にこの方々は、日々ひたむきに修行を続けているのだ」と、肌で感じることができました。こうした姿に触れ、日本でも長く伝わってきた禅の修行が、韓国でも脈々と受け継がれていることを改めて実感しました。
■ 異国に触れて、見えてきたもの
また、韓国ならではの美しい渓谷や山々にも案内していただき、日本で坐禅を組む洞窟とはまた違った雰囲気の中で、坐禅にも取り組みました。
こうした貴重な経験を通じて、日本と韓国、それぞれの仏教文化の違いだけでなく、共通する「修行への真剣な姿勢」に触れることができました。
この旅を通して得た気づきや学びを、これからの修行や日々の法話の中でも大切にしていきたいと思っています。
ご縁をいただいたすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
